多肉植物のセダムは種類が豊富
暮らしの中に緑があると、心が落ち着いて豊かな気持ちになるものですよね。 最近人気の植物の種類に「セダム」があります。 セダムはサボテンと同じ仲間の多肉植物で、その中のベンケイソウ科マンネングサ属です。
セダムは世界中に約400~500種類
セダムは種類が多く、400~500種がオセアニア以外のほぼ全世界に生息しています。 厚みのある葉に水分や栄養を蓄えることが出来る植物なので、小まめな水やりや肥料を必要としません。 屋外の地植えでは水はけのよいところに植えましょう。
プランターや鉢に植えた場合の水やりは、ほとんどの種類が半月~一ヶ月に1回で大丈夫です。
日光を好む種類が多いですが、半日程度の日陰でも育つ種類もあるので、ガーデニングでは敷石の間やグランドカバーにも植えられることが多いです。
セダムは育て方が簡単で手間がかからないことと、形や色がユニークで愛らしいことから注目されている人気の植物です。
セダムの名前の由来
セダムは、学名の「Sedum」がそのまま呼称になっています。元々はラテン語の「Sedere」からで、意味は「固定・そのまま・座る」。 花言葉は「待ち続ける・人待ち・耐える・枯れない思い」などで、その生態にちなんで付けられたようです。
日本に適して自生のセダムも!
日本原産の種類は山野草として楽しめるミセバヤなどがあります。 それ以外にも、外来種ながら日本の気候に適応して自生している多肉植物も多く、他の植物が育ちにくい岩場や砂地でよく見かけます。
春から夏にかけて、白や黄色の小さな花を咲かせる種類もあり、「多肉植物」や「セダム」という名前を知らなかった人でも、きっと生け垣などに自生するセダムをどこかで目にしているはずですよ。 代表種には、マルバマンネングサがあります。
基本の育て方で大丈夫!多肉植物ビギナー向きセダム2種類
初めて植物を育てるときはいろいろと心配ですね。 枯らしてしまわないかな? 肥料は必要なの? 留守の時の水やりはどうしたらいいのかな? 園芸店でもよく見かける名前のセダムを紹介します。 育て方が容易な種類からまずは挑戦してみましょう。
セダム種類1:メキシコマンネングサ
名前は「メキシコマンネングサ」ですが、原産地ははっきりしていない外来種です。今では日本の気候に適応して広く分伏しています。葉の緑が鮮やかで、花弁が尖った星のような形の黄色い花が一面に咲きます。 自生している様子もよく目にする多肉植物です。
セダム種類2:アドルフィーコッパー(銘月)
茎にまとまって育つ葉がバラや椿の花のような形を作り、一株でも華やかなセダムです。 春から夏にかけて白やオレンジの花を咲かせ、秋には紅葉もします。
この種類の仲間には、葉先が丸いタイプや尖ったタイプなど種類が豊富で、名前は違ってもどの種類も小さな鉢やプランターでよく育ちます。 育て方は、日照時間が確保されればあとはほとんど一年を通じて手がかかりません。
仲間が多く形を楽しめる「虹の玉」3種類の名前
虹の玉は、ファンの多いセダムです。この愛らしさに惹かれて多肉植物が好きになった人も多いですね。挿し芽や葉挿しで簡単に増やすことができるのも、植物を育てる楽しみのひとつです。
虹の玉は主に葉の形と色で名前が違い、それぞれに可愛い名前が付けられています。 葉の形が特徴的な3種類をご紹介します
セダム種類1:オーロラ(虹の玉)
多肉植物を代表するようなプクプクとした葉が可愛いい人気の種類です。 個体や生育環境によって、紅葉したときの色味のグラデーションが違うので、毎年秋の紅葉シーズンが楽しみな種類です。 挿し芽や葉挿しで増やすことができます。
セダム種類2:乙女心(虹の玉)
茎が20~30センチに伸びて立ち上がるタイプで高さがあるので、土を這うように成長する種類との寄せ植えにも適しています。葉の形から、英語ではジェリービーンズと名前が付けられています。秋になるとグリーンの葉の先端から徐々に紅葉して、春まで続きます。
セダム種類3:八千代(虹の玉)
茎の先にバナナのような細長い黄緑色の葉が、まとまって付きます。黄葉しますが全体ではなく葉先が少し色ずき、明るい黄緑色とのコントラストがかわいい人気の種類です。 日差しは必要ですが、高温多湿には弱いので水はけがよく元気に育てるのには屋外向きです。
ハンギング向きのセダム2種類
ハンギングに向く、広がりながら成長する種類のセダムもいろいろあります。お庭を華やかに彩るハンギングに挑戦してみませんか?
セダム種類1:ミセバヤ
紅葉と同時に花が咲きます。冬には落葉して、茎の根元に新芽を育てながらも休眠するので、春になって一気に成長します。
上には伸びなくて、広がるように垂れ下がって成長しますが、伸びた茎は一年で枯れるので手入れをしなくても、毎年だいたい同じ大きさを維持します。 株が大きくなってきたら、掘り起こして株分けで増やすこともできます。
セダム種類2:ステフコ
プチプチとした小さな葉がたくさん固まってベリーのような形を作ります。秋に紅葉すると、薄いピンク色がだんだんと濃くなり紫になります。あまり大きくならず、小さな鉢のままでも栽培できます。 暑すぎたり寒すぎると、休眠してしまいます。10~25度が生育に適しています。
増やして楽しい人気のセダム2種類
セダムの栽培になれたら、次は増やしてみたいですね。セダムは増やしやすい植物です。葉挿し、挿し芽や株分けなどで増やすことが出来ます。
成長や手入れの途中で折れてしまったり、落ちてしまった葉からでも増やすことができます。増やすために、特別な準備は必要ありませんが、土は大切です。
水はけのよい土であれば問題はありませんが、園芸店で多肉植物葉の土を販売しているので、それを使用すると間違いがありませんね。 少しずつ増えていくと、ペットを飼っているようでワクワクしますよ。
セダム種類2:グリーンペット
挿し芽で増えます。挿し芽に適した季節は初春と初秋で、茎の先を5センチぐらい切って土に刺すと、3週間程度で根が伸びて成長を始めます。 茎が伸びすぎると、根元から元気が無くなり葉が黄色くなってくるので、刈り込むようにしましょう。
セダム種類3:黄麗(月の王子)
黄麗は「月の王子」という別名もあります。多肉植物のなかでも普段から葉が淡い黄色は珍しいので、彩りよく寄せ植えをするときに植える人も多いです。 増やす方法は、葉挿しです。
暑さや寒さに強い個体なので、葉挿しも一年中可能で、室内でもできます。葉を乾燥させてから、土の上に転がす様に置いておくと根が出て新芽が育ってきます。
それを植え替えますが、小さく育てたい場合には小型のポットに植えて、葉が増えてきたらそれを積んでまた葉挿しにすると、形の良い株が保てます。
大きく長く育つ2種類
セダム種類1:玉つづり
成長が早く、ダイナミックなスタイルです。長くなると1.2m程の長さになる個体もあります。 伸びてくると、強い風や触れただけでも葉が落ちることがあるので注意しましょう。でも、落ちた葉や茎でも葉挿しや挿し芽で増やすことができます。落ちた葉も大切に育てましょう。
セダム種類2:グリーンネックレス
名前の通りネックレスのように伸びて成長します。 育て方は、他のセダムに比べると寒さに弱いので、屋外なら霜が当たらないようにします。水は、丸い葉を触って少し硬くなっていたら与えるようにします。
長くなってきたら、先端を5~10センチ切って挿し芽にすると増やしていくことができます。
ガーデニングでグランドカバー向きのセダム3種類
セダムはとても丈夫で様々な環境に適応します。種類によっては、他の植物が育ちにくい岩場などでも成長することができます。
生命力や適応力はありますが、踏まれることには弱いので、ガーデニングでグランドカバーとして育てる際には、人が通らないところに植えましょう。 水はけがよいところが適しているので、生け垣や敷石に這わせて育てるとよく広がります。
セダム種類1:ゴールデンカーペット
日光を好み、どんどん成長します。直射日光でも大丈夫です。暑さ寒さに強く、2~3度ぐらいまで大丈夫な種類なので、庭のグランドカバーに適しています。
風通しの良いところを好むので、雨が降っても4~5日程度で地面が乾くエリアを選びましょう。長く湿っていると、根腐れを起こして枯れてしまいます。
株分けや挿し芽で増やすことができますが、成長が早いので植え替えをするときには広がるエリアを想定、考慮して植えましょう。
セダム種類2:マルバマンネングサ
日本に自生してるセダムです。名前の通り丸い葉を密生させます。 斑入りや、写真の黄金葉の品種を芸店などでよく見かけます。 他のセダムに比べて日陰でもよく育つので、場所を選ばずに植えることが出来ます。
初夏に星型の小さな黄色い花を咲かせるので、グランドカバーにすると黄色とグリーンのカーペットを敷いたようなかわいい庭作りができます。
また、丈夫でよく広がるので、雑草に悩まされている庭の隅などに植えると雑草除けの役目もしてくれます。
セダム種類3:ツルマンネングサ
場所を選ばない丈夫な種類です。生け垣などに植えると、彩だけでなく補強の役目もしてくれます。春から夏にかけては、マルバマンネングサと同じく黄色い花を咲かせて、庭をにぎやかにしてくれます。 伸びた先を切って、挿し芽で増やすことが出来ます。
室内でも育てやすい2種類
植物を部屋の中で育てて、いつも自然に触れることが出来る暮らしは憧れですね。 でも、帰宅したら枯れていたなんてことになるのでは?と、心配になりますね。
屋外でも室内でも育て方が同じで簡単なセダムは、不安なく育てることができます。気づくと部屋の傍らで紅葉したり花を咲かせたりして、部屋を明るくしてくれます。
セダム種類1:ハオルチア
プクプクとした葉が可愛いセダムです。丈が伸びないので室内で育てるのに向いています。成長すると葉の色がだんだんと濃くなって硬くなり、根元に子株が育ってきます。これを分けて増やすことができます。株分けには、春と秋が適しています。
セダム種類2:春萌
名前が可愛くて、大きさもコンパクトなので、室内で育てたい人に人気のセダムです。 日差しを好むので、窓際に置きましょう。成長しながらもあまり形はかわらないので、小~中サイズの鉢で育てることができます。
葉が集まって花のような形を作りますが、この花のような部分の大きさは、成長しても7㎝程度なので、置き場所に困ることはなく、室内向きです。
セダム種類3:スプリングワンダー
多肉植物の中では、日陰でも育つ種類です。部屋の中で葉挿しで増やすことができるので、葉が落ちたら繁殖用の鉢を室内に用意して、土の上に葉を並べておくと新芽を出します。育て方も増やし方も簡単で、楽しんで育てられる種類です。
いろいろな種類で寄せ植えも楽しめます!
セダムは種類が多いだけではなく、その形や色合いがとてもかわいいですね。 種類を覚えたら、寄せ植えも楽しみましょう。 寄せ植えの参考例を紹介します。
水や肥料を必要としないセダムは、こんな缶でも育てられますが、水のやりすぎには注意しましょう。
葉挿しや挿し芽で育てた小さな株を集めて、手のひらサイズのポットでの寄せ植えも楽しめます。
まとめ
「セダム図鑑」で、人気の種類を紹介しましたがいかがでしたか? セダムの魅力は育てやすいだけではなく、愛らしい花や紅葉などで四季を知らせてくれることですね。
忙しい毎日に、セダムが安らぎと豊かさをプレゼントしてくれます。 気に入った多肉植物の「セダム」を見つけてくださいね。