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シクラメンの植え替えをしよう!繰り返し咲かせる方法や夏越しの注意点を解説!

シクラメンは1年しかキレイに咲かないと思っていませんか?それは勘違い!夏の暑さに弱い植物ではありますが、上手に「夏越し」させ、秋には新しい鉢に「植え替え」することで、つぎの年も花を咲かせてくれます! シクラメンの植え替えで注意したいポイントと方法を解説します!
更新: 2023年8月29日
三ツ矢ナオ
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シクラメンを来年も咲かせたいなら……

花が終わったシクラメンの元気がない!?

シクラメンは秋~年末にかけて多く出回る、 屋内でもよく育つ代表的な鉢花です。 花のバリエーションも豊富で、花期が長いので、 昔から根強い人気があります。

このシクラメン、花の季節が終わると、 シュンと元気が無くなってしまいませんか? 「来年も咲くのかな……」なんて不安に思われる方も多いはず。

来年も咲きます! 夏越し&植え替えがカギ!!

シクラメンは、必要な作業さえ行えば、 来年も花を咲かせてくれます! そのカギはじょうずに「夏越し」させ、 9月に「植え替え」を行ってあげること。 シクラメンの夏越しと植え替えについて解説します!

まずはシクラメンの1年のサイクルを理解

シクラメンの成長サイクルを理解しよう

秋~冬に購入した1年目のシクラメンは、 まず植え替えせずに、 翌シーズンまで育てましょう。 4月頃になると、だんだん花が終わります。 花が終わった後の4月~7月は生長期といって、シクラメンが大きく育つ季節です。

休眠明けの9月が植え替えの時期

7月下旬からシクラメンは休眠期に入ります。 この休眠期に株が弱り、夏越しできない場合もあります。 でも、じょうずに夏越しさせる方法も解説しているので、ご心配なく! うまく夏越しできた場合、休眠が明ける9月に植え替えを行いましょう。 9~10月はまた生長期となります。 その後、11月頃から花を咲かせるのです。

夏越しの方法は2通り!

休眠させるか、休眠させないか?

シクラメンを夏越しさせる方法は2通りあります。 まずひとつめの方法は、 休眠期(夏)に水を完全に断ち、地上部に残った葉っぱを切り取ってしまう方法です。

こうすることで、シクラメンは休眠し、 つぎの花期に向けて栄養を蓄えてくれます。 もうひとつの方法は、休眠期(夏)にも水を与えて、 葉っぱを残しながら夏越しさせる方法。つまり休眠させないやり方です。

株の状態を見て、夏越しの方法を決めよう

もう枯れそうな状態であれば、休眠させる夏越し方法、 まだ地上部に葉が茂り、元気なようであれば、休眠させない夏越し方法を選ぶと良いでしょう。

夏越しの方法1.休眠させる夏越しの特徴

人工的に「乾季」を作ってあげる夏越し方法

シクラメンは本来、「乾季」と「雨期」のある場所で育つ植物。 この「乾季」は、日本の夏にあたります。 でも、日本は夏でも湿度が高く、雨だって降りますよね。 逆に冬は乾燥する国です。 つまり日本は、シクラメンの育つ環境と真逆なのです。 なので、水を断つことで、 自生地での「乾季」の状態を作ってあげるのです。

ぶよぶよになってしまった球根は使えない

休眠中、球根の表面を触ってみて、 ぶよぶよになってしまった球根はもう使えません。 とても残念ですが、廃棄してしまいましょう。

休眠させる夏越しの方法を解説

暑い時期が苦手! 涼しい場所に置こう

シクラメンは暑い時期を苦手とします。 6月以降は風通しがよく、涼しい場所に置きましょう。 休眠させてしまうので、日当たりは悪くて大丈夫。


水は絶対に与えない! 雨もNG

休眠させるなら、絶対に水やりはしないでください。もちろんまだ花が咲いていれば水やりをするのですが、休眠の準備に入った段階で、完全に水を切ります。雨が当たるのもNG。 休眠の時期に水分を与えてしまうと、 球根が腐ったり、カビが生えたりします。 こうなってしまうと、もう9月の植え替えはできません。

夏越しの方法2.休眠させない夏越し

地上部が枯れていない場合に行える

地上部が枯れていない株の場合に行えます。 もちろん、病気にかかっていないことも重要です。

休眠させる方法よりも簡単!?

葉を残したまま休眠させずに夏越しする方法は、 休眠させる方法よりも比較的簡単に来年も株を残せると言われています。 ただし、休眠させたシクラメンよりも、翌年の花つきがグンと悪くなってしまうというデメリットもあるので注意しましょう。

開花が早い

休眠させ、球根だけにして夏越しさせた場合より、開花時期が早くなります。 球根だけの状態に戻してしまうと、完全に冬にならないと株が成長してこないのですが、 休眠させなければ、9月ごろにはもうつぼみをつけてくれますよ! 「早く花を楽しみたい」という場合におすすめです。

休眠させない夏越しの方法を解説

夏の時期は涼しい場所で管理

休眠させない場合も、やっぱり暑さが苦手なので、夏の時期は涼しい場所に置きます。 直射日光が当たる場所は暑すぎます。 屋根があるところを選ぶと良いでしょう。

水やり

休眠させない夏越しでは、水やりを行います。 土の表面が乾いたら、たっぷりと与えましょう。 このとき、花や葉っぱに水がかからないようにします。土の表面にかけてください。 上から大胆に水をあげてしまうと、病気の原因になります。

地植えのシクラメンは、夏越しできる?

地植えの夏越しは、難易度が高い……

シクラメンの中には、 「ガーデンシクラメン」と呼ばれる地植え向きの種類があります。 ふつうのシクラメンより小型ですが、寒さに強いので、お庭にも植えることができるのです。(もちろん鉢植えのまま育ててもOK!) 地植えしたシクラメンの夏越しは、結論から言えば可能。 でも植えっぱなしだと難易度が高いと思いましょう。

地植えしたなら、梅雨までに掘り返して夏越し!

地植えのシクラメンを夏越しさせたいなら、 梅雨までに球根を掘り返し、保存しておきます。置き場所は風通しのよい日陰です。

9月になったら、また地植えする

掘り返して保存しておいたシクラメンの球根は、 9月になったらまた地植えしましょう。

普通のシクラメンを地植えすると、寒さに耐えきれない

ガーデンシクラメンではない普通のシクラメンの地植えは、難しいです。 普通のシクラメンの耐寒温度は5℃くらいまでなので、 朝晩の冷え込みに耐えられないのです。 せっかく冬に長く花を咲かせる植物ですから、 あえて外の過酷な環境で育てるのではなく、 素直に鉢植えで室内置きするのがベスト!

シクラメンの植え替え方法を解説!


夏越しに成功したら、 いよいよ植え替えをしましょう!

どうして植え替えが必要なの?

シクラメンは1年間も同じ鉢植えで育てていると、 土の中の肥料分を吸いきってしまっています。 土自体も劣化しているので、新しく植え替えてあげないと、 来年も立派な花は咲かないのです。

シクラメンの植え替え1.必要なもの

新しい土

「シクラメンの土」と書かれて販売されているものか、 ふつうの園芸用培養土を使います。

土の配合

自分で土を配合するなら、 赤玉土6:腐葉土2:完熟堆肥2の割合でフレンドしてみてください。 この土に、緩効性肥料(ゆっくり効いていく肥料)を加えます。

元肥

緩効性肥料(ゆっくり効いていくもの)です。 最初から土に混ぜておきましょう。

鉢底石

鉢の底に敷く石も用意します。 ホームセンターで購入可能です。 これは去年のものを流用してもOK。 ただ、いちど洗い流しておいた方が、病気や害虫の予防になります。

去年よりも大きい鉢

鉢も新しいものに更新します。 去年よりひとまわり~ふたまわり大きい鉢を選びましょう。 去年と同じサイズだと、株が大きくなっていきません。 根が詰まる可能性もあります。 倍以上の巨大な鉢に植え替えるのもダメ。 蒸れやすく、水はけが悪くなります。

シクラメンの植え替え2.休眠させておいた場合

球根のコンディションをチェック

まずは球根の表面を触りましょう。 ぶよぶよしておらず、しっかりしているかチェックします。 古い根、痛んだ根は切り取りましょう。

球根の半分は土の上に出るように

鉢底石、元肥を混ぜた新しい土の順で、鉢の中に入れます。 球根は、鉢の中央にひとつだけ置きましょう。 ここでポイントなのが、球根の上半分は土から見えるようにすること! あとは水やりをしておけば、 新しい芽が出ますよ!

シクラメンの植え替え3.休眠させなかった場合

鉢から抜いて、球根の状態を確認

まず、鉢からシクラメンを抜き取りましょう。 休眠させた場合と同じく、 球根の状態を必ず確認してください。 触ってみて、ぶよぶよしている球根はダメです。 植え替えせず、廃棄してしまいましょう。

古い土を落とし、新しい土に入れ替える

球根にしっかりとハリがあるものだけ、 植え替え作業に使います。 根についている古い土を、3分の1程度払い落としてください。 完全に落とさなくても大丈夫です。 払い落としたら、 鉢底石、元肥を混ぜた新しい土の順で、ひとまわり~ふたまわり大きい鉢の中に入れます。

休眠させなかった場合も、球根を完全に土で埋めない

株元についている球根は、 完全に土で埋めてはいけません。 休眠させた場合と同じように、球根の半分くらいが土から出るようにします。

シクラメンの植え替え4.植え替え後の管理


置き場所

日当たり、風通しのよい室内の窓辺がおすすめ。

水やり

土から半分くらい球根が見えるように植え付けたかと思います。 水やりするときは、この球根部分に水が当たらないようにするのがポイント! 花や葉っぱにも水をかけてはいけません。土の表面にそっと与えます。 土の表面が乾いたら水やりしますが、 過湿には注意が必要。 乾かし気味に管理しましょう。

やっぱり注意したいのは夏

気温が上がってくると、スリップスやコナジラミという病害虫が発生することも。 粒剤を月に1回まいておくと予防になります。 また、室温の高い部屋に置いておくと、 株が乱れたり、腐ったりというトラブルにつながります。 夏は屋外の涼しい場所での管理がおすすめ! 室内に置くなら、家の中でも涼しい場所を探します。

冬でも暖房の近くは注意

冬なら、屋内に置いてさえいれば大丈夫……というわけでもないのです。 注意したいのは、暖房の近く。エアコンやストーブの思わぬ高温にさらされて、シクラメンが弱ってしまう可能性があります。暖房器具からは遠ざけましょう!

豆知識! シクラメンの鉢植えは、屋外で越冬できるの?

栽培された場所による

シクラメンの鉢植えは、基本的に屋内で越冬させます。 ただし、秋の早い時期に販売されていた株は、 温室育ちではない可能性が高い(夏でも涼しい高地で栽培された)ので、 関東より南の地域であれば屋外でも越冬させられます。 この屋外で栽培された株は、 株の形が乱れにくく、花の色もあざやかに出やすいのです。

年末に買ったシクラメンは、屋内で越冬させよう

年末近くにシクラメンの鉢植えを買った場合、 それは温室育ちの可能性が高いです。 温室で育ったシクラメンは耐寒性に欠ける傾向があります。 冷え込みやすい地植えではなく、鉢植えのまま育て、家の中で越冬させましょう!

最後に、注意したいポイントを確認!

最低限押さえたいポイント

・夏越し・植え替えが、シクラメンを毎冬咲かせるコツ ・シクラメンは暑いのが苦手! 涼しい場所で夏越しさせる ・地上部を枯らして休眠させるなら、水やりは一切しない! ・植え替えるとき、土は新しいものに替える

夏越し・植え替えで、シクラメンを長く育てよう!

植え替えてあげれば、長く楽しめる鉢植え

いかがでしたか? 温かくなってくると、「もうダメなのかな?」と思わせるように元気がなくなってしまうシクラメン。 でも、それは日本の暑い時期が苦手なだけ。 故郷に近い乾いた涼しい環境を整えてあげれば、 上手に夏越しできるんです。

夏越しに成功したシクラメンは、さらに大きな鉢に植え替えることで、 毎年どんどん大きくなっていきます! ぜひ、シクラメンの夏越しと植え替えに挑戦してみてくださいね!