カルミアとは
科名
カルミアはツツジ科の植物です。
学名
カルミアの学名はKalmia latifoliaです。
花名由来
花名の由来は、北アメリカの植物を収集したとされるスウェーデンの植物学者ペール・カルムという学者の功績を讃え、師匠であるリンネによってカルムの名を冠して命名されました。 花笠の様な形をしているのでハナガサシャクナゲという別名もあります。
カルミア/品種・原種
原産地
原産地は北アメリカの東部です。
分布域
北アメリカからキューバにかけて分布しています。
カルミア/花言葉・開花時期
花言葉
花言葉は優美な女性、大きな希望、大望、野心、裏切りがあります。
由来
カルミラの旺盛な成長から大きな希望、大望がイメージされたとされています。 優美な女性というのは花姿の美しさから来ています。 また可愛らしさという点でさわやかな笑顔というものもあります。 野心はアメリカ開拓者のフロンティアスピリットをイメージしたという説もあります。
開花時期
開花時期は4月~6月でピンクや白、淡い紅色や濃い紫の花を咲かせます。
カルミア/特徴
花の姿や外見
カルミアは金平糖の様な形をした色が濃い蕾を持ち、開花すると花は皿の形になり、色が薄くなります。 花自体に模様が入っていて開花の前後で外観が大きく変わります。 花の起きさは2cm程です。 また常緑低木で、背丈が低いうちからでも花が咲いてくれますし花つきが凄まじく大変綺麗に彩ってくれます。 鉢植えで管理することもできます。 庭植えだと1m~5mになるものもあります。 葉は濃緑色で革の様な艶と光沢があります。
少し変わった花粉の機構
通常の花と違い、カルミラの雄しべは花びらのくぼみに収まっています。 花に飛来した虫によって刺激され、雄しべが飛び出し花粉を撒き散らすという変わった性質を持っています。
カルミア/育て方・栽培方法
難易度
やることが多いので中級者向きとなっています。
植え付け
植え付けは3月~4月半ばまでと、9月半ば~11月までが適期となっています。 ここで大事なことは普通の培養土は決して使わないでください。枯れてしまいます。 市販の普通の培養土は中性に中和してあるからです。 カルミラはツツジ科なので酸性の培養土を使ってください。 ツツジやサツキ用の培養土を使用するか、鹿沼土:腐葉土が6:4になるように自分で調整してください。 赤玉土は使ってはいけません。
種まき
これは大変難しく、素人では発芽させにくいので苗を選びましょう。 もし、苗が成長し、花が咲いて種が収穫できたら挑戦してみてください。 方法は川砂の様な細かい砂や水苔を刻んだ所へ種が重ならないように撒きます。 発芽するまで土が乾かないようにし、日陰で管理します。 発芽したら薄い液肥を1週間毎にあげます。 種をまく時期は9~12月か3月です。 育成した苗を植え替えできるのはしっかり育った9月頃が目安となります。 種から育てると花が咲くまでに3年以上かかってしまいます。
水やり
乾燥気味を好みます。 鉢植えの場合、春と秋は2日おきでもかまいません。冬は指を土の中に入れてみて乾燥しているなら水をあげると良いです。 真夏日は朝夕2回水をあげてください。 庭植えの場合は夏に根本が日にあたって乾いてるようなら水を上げてください。 それ以外では普段は水を上げなくていいです。
肥料
開花後の5~6月に緩効性肥料を与え、9~10月と2月にそれぞれ1回固形の緩効性肥料を与えます。 カルミラは枝が伸びてる範囲分地下に根を伸ばしているので、枝の下まで肥料を撒いてあげてください。
摘蕾
カルミアを楽しむのに難しいと言われるのはカルミアを切る作業が多くまたそれが大切だからです。 まずは摘蕾からです。 なぜこれを行うかというと、隔年開花という現象がカルミアには起きやすいからです。 花が良く咲いた次の年は咲きにくくなるというもの。これを防ぐのに摘蕾を行います。 蕾が通年より多いと感じたら半分ほど摘み取ります。行う時期は11月です。 半分摘み取ることで栄養が株本体にもめぐり、枝が充実することで来年も花を楽しむことが出来ます。
花がら摘み
花を残したままにしていると種を作るようにカルミアが栄養を種へ回るようになります。 放っておくと枝が充実せす、花芽がつかなくなるので枯れてきたと感じたら摘み取りましょう。 また適度に満開に咲いている花を摘んできて家で飾ると楽しみが増え花がらも摘み取っているので一石二鳥です。
剪定
剪定の時期は花が咲き終わる5~6月頃に行います。この時期に行う剪定はあまり先延ばしにしないでください。 カルミアは花が終わると次の花を咲かせるためにすぐに花芽の形成に入ります。 時間をかけると次の花の分を切り落とすことになるので注意してください。 樹形が大きく乱れてきたと感じたら強剪定しても大丈夫ですが、次の花は付かないかとても少なくなります。
増やし方
増やす作業は取り木か種まきが向いています。 取り木の方法は、5~6月に丈夫そうな枝を選びます。そして樹皮を枝の直径の倍の幅で剥いでいきます。 そこに湿らせた水苔を巻きつけ更に上からビニールシートで巻きます。 発根するまで水苔が乾かないように水を与え、発根したら根の下位で枝を切り落とし植え付けを行います。
場所
日当たりを好み、日が当たるほうが成長と開花の度合いは良いですが、夏の西日や直射日光には弱いです。 半日陰でも育つので植えるなら半日陰に植えるといいです。 鉢植えで管理する場合は春と秋にしっかり日が当たるように場所を移動させ、夏は半日陰になるところへ置いておくといいです。
挿し木
成功率は低く様々な挿し木を行った経験がないと難しいです。 挿し木を行うにあたって、発根促進剤は必ず用意してください。 5~6月に枝先から10cm程切り取り、枝の上部1/3の葉を残して残りの下葉は切り取ります。 1時間ほど水揚げし、切り口に発根促進剤を塗ってバーミキュライト等挿し木向けの土となるものへ挿していきます。 この時、鉢ではなく園芸店で苗が売られている時に植えられている黒のビニールカップや、それと同サイズのものに植えてください。余分な水分を与えず上手く育てることが出来ます。 あとは土が乾かないように日陰で管理します。
植え替え
植え替えを行う際は、まず花が咲いていないことを確認してください。 植物は花が咲くと花の方にエネルギーを注ぐようになるので、花が咲いている時に植え替えを行うと植物本体にダメージが行き株が弱る原因になってしまいます。 またカルミラは植え替えを嫌う種類に当たります。 頻繁な植え替えは避けてください。また根の周りの土をほぐすことも株へストレスを与え弱らせる原因になるので控えてください。
カルミア/その他おすすめ情報
バラエティーに富む植物
花の色が種により様々で、模様が入っているものや、無いものもあります。 よく出回っている品種はラティフォリア種です。 他にはアングスティフォリア種と言って、樹高がさほど高くなく1.5mに落ち着きます。 花が小さく、ボリューム感はしっかり出ますが新葉に隠されやすいのです。 ポリーフォリア種はラティフォリア種と似ていますが、葉が細いことが特徴です。
カルミアの注意点
最後に注意点です。 カルミアの葉には有毒物質が含まれています。これはカルミアだけでなくツツジ科では広く知られています。 致命率は高くないものの、嘔吐やよだれ、脈の細弱不整、全身麻痺など様々な症状が出ます。 また花の蜜も同様に中毒症状が出て危険なので、子どもにはよく注意してください。大変危険です。 また動物にも害はあります。
まとめ
カルミアは切る作業が多く、躊躇してしまうことが多いですが思い切って摘み取りや剪定をしてみてください。綺麗な花をずっと楽しむことができると思います。