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シラン(紫蘭)の育て方!植え替え時期や手入れの注意点などの9つのコツを解説!

紫蘭(シラン)という花を知っていますか。実は花色が紫色をしていることから名づけられましたが、シランには品種がいくつかあります。今回はシランの特徴や育て方をご紹介します。鉢植えするときの注意点や植え替えや株分け、球根の増やし方などをご紹介します。
更新: 2021年4月15日
printemps117
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シランという花について

シランは、ラン科の多年草の植物で、ランとしては珍しく、栽培が容易で宿根草と同じように扱うことができるため古くから栽培されている植物です。 日本国内では、本州の関東より西の地方、四国や九州などに分布しており、海外では、中国や台湾などに自生している植物ですが。現在、日本国内ではシランの野生種は準絶滅危惧種の指定を受けています。ただ、こぼれ種でも繁殖するシランは、純粋な野生種か、栽培逸出したものかの判断が難しく、正確な分布状況は把握できておりません。 株は球根や種で増やすことができます。花の開花時期は5月~6月で、長く伸びた花茎の先に、ラン科の植物特有の美しい花を数輪咲かせます。花色は紫や白が多く見られます。

シランの主な品種(種類)について

シランにはいくつか種類があります。 ・シロバナシラン(白花シラン) ・フクリンシラン ・クチベニシラン などがあります。 シロバナシランはその名の通り白花をした種類です。フクリンシランは「覆輪シラン」とも書き、緑の葉の部分に白い斑が入った品種です。 その他、キバナショウハッキュウ「黄花小白笈」という種類もあります。 これは中国南西部原産の小型のシランで、淡い黄色から杏色をした花を咲かせます。 繊細な草姿で花期はシランよりも少し遅めですが、シランに比べると耐暑性にやや劣るところや、栽培難易度が高いという特徴があります。 その他にも青みを帯びた花弁をした「青花シラン」や、中央のリップが3枚付いた「三蝶咲きシラン」など、珍しい品種も流通しています。

種類の違いによる詳しい説明

・白花紫蘭(シロバナシラン) 白い花を咲かせる紫蘭の種類で、別名「白蘭(ハクラン)」とも呼ばれ、花の中心がうっすらピンク色になっているものもある。涼しげな花姿が魅力。 ・覆輪紫蘭(フクリンシラン) 葉っぱに白い斑が入った種類。開花期になると、真っ白や、中心が紫色になっている花を咲かせる。 ・口紅紫蘭(クチベニシラン) 白い花の中心が、淡いピンク色に染まっている姿が口紅を塗ったように見えることから名付けられた種類 ・黄花紫蘭(キバナシラン) 中国南西部に多く見られる、黄色や薄いオレンジ色の花を咲かせる品種。通常の紫蘭よりも小型で、紫蘭と黄花紫蘭を交配させて作り出された種類は、「小白及」と呼ばれている。 ・アマナ蘭(アマナラン) 淡いピンクの花色で、中心が黄色く染まる小型な品種です。台湾と中国で多く見られ、漢方薬の材料としても利用されている。紫蘭と交配させて「アマナ紫蘭」という種類が作られた。

シランの語源とは?

紫蘭の語源は、名前の通り、紫色に咲くことからつけられたそうです。 ただ、現在は紫蘭といってもピンクや白色をした種類も含めてすべて「紫蘭」呼ばれているようですが、色によってはそれぞれの別名も存在するようです。

シランの花言葉

シランの英名の由来はギリシャ神話にあった

紫蘭(シラン)の花言葉には「あなたを忘れない」や「薄れゆく愛」といった少々切ない花言葉が含まれていますが、このような切ない花言葉が付けられた背景にはギリシャ神話による切ないお話しが隠されています。 紫蘭(シラン)は英語で「ヒヤシンス・オーキッド」と呼ばれていますが、この名はギリシャ神話に出てくる美少年、「ヒュアキントス」に由来しています。 ヒュアキントスはアポロンの愛童でしたが彼に横恋慕していた西風の神ゼフュロスの嫉妬により、遊技の最中にアポロンの投げた円盤をヒュアキントスの額に命中させ、落命させました。この時、傷口から流れ出た血から生じたのが、ヒアシンスの花といわれており、後にヒアシンスという名前が付けられたそうです。 紫蘭(シラン)とは直接関係のある話ではありませんが、英名の由来を考えると納得のいく話です。

愛を伝えるのにぴったりなシラン

紫蘭(シラン)には ・楽しい語らい ・あなたを忘れない ・お互い忘れないように ・変わらぬ愛 ・薄れゆく愛 ・美しい愛 ・美しい姿 ・不吉な予感 などポジティブとネガティブな花言葉の両方を持っていることがわかります。先ほどご紹介したギリシャ神話や紫蘭(シラン)の繊細な見た目から花言葉が付けられたようですが、「変わらぬ愛」や「美しい姿」という花言葉は恋人に愛を告げるのにぴったりな花といえるのではないでしょうか。 春頃の咲く花なので、その時期の誕生日やプロポーズなど愛の言葉を告げるときには紫蘭(シラン)を渡してみると喜ばれるかもしれませんが、ネガティブな意味も持ち合わせていますので、ポジティブな意味だけを告げたい場合は、メッセージカードなどに書いてプレゼントすると、うまく気持ちが伝わるかもしれません。


知っておくと役に立つ!?シランの育て方

鉢植えでも地植えでも育てられるシラン

シランは球根や苗を植え付けて育てるのが簡単です。シランは一年中明るい場所(日当たり)を好み、耐暑性があり、日光にも強い植物です。耐寒性はある程度あるものの鉢植えの場合は土が凍らない程度の場所で育てるのが理想です。地植えの場合はよほど凍結がひどくない限り越冬が可能となっています。

育て方ポイント1.栽培環境や日当たり・置き場所

夏場は半日陰で育てるのが理想

紫蘭(シラン)は日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でもよく育ちます。ただし、完全な日陰になってしまうと株全体が徒長して花付きが悪くなります。 またやや湿った場所を好むので、乾燥しすぎない場所に植えるようにしましょう。 夏場の直射日光が強すぎると葉焼けすることがありますが、そのままでも枯れることはありません。直射日光が強すぎる場合は半日陰の場所に移しましょう。

冬、寒すぎる場合はマルチングを

紫蘭(シラン)は冬の寒さに耐える力は兼ね備えていますが、あまりにも気温が低かったり、土が凍結してしまうような環境では枯れてしまいます。土が凍結するほど気温が低い場合は、室内に取りこむか、土に腐葉土を被せるなどしてマルチングし防寒するのをおすすめします。

育て方ポイント2.シランの土作り

シランを育てる土についてですが、有機質が多く含まれている土が最適です。市販の花用培養土をそのまま使用しても構いませんが、自分で配合する場合は、赤玉土を6割、腐葉土を4割の割合でブレンドした土を用いるのがおすすめです。 地植えする場合は、植え穴を掘った際に、2割から3割ほど腐葉土を混ぜて植えるようにします。

湿り気にも乾燥にも耐性のあるシラン

適度な湿り気のある土壌を好みますが、乾燥にもよく耐えます。鉢植えは土の表面が乾いていたらたっぷりと与えます。休眠期の冬は水やりの回数を減らして乾かし気味にします。地植えは夏にひどく乾くような日が続けば水やりをします。 肥料を与えるタイミングは花が咲き終わった後で、化成肥料や油かすを株元に施します。花を咲かせるのに使った体力を補う程度のことなので、肥料は少量でかまいません。

育て方ポイント3.シランの水やり


水やりも好むが乾燥にも強い

鉢植えは土の表面が乾いていたら鉢底から水が染み出るほどまでたっぷりと与えます。 休眠期の冬は、水やりの回数を減らしながら乾燥気味で育てます。地植えの場合は、頻繁に水やりする必要はありませんが、夏場に乾燥がひどいようなら水やりをおこないます。 紫蘭(シラン)はどちらかというとジメジメした環境を好みますが、冬は休眠するので、冬場の水やりは控えてください。 土が乾いてから数日経ってから水をやる程度で構いません。

育て方ポイント4.肥料の与え方

紫蘭(シラン)を育てるときに必要な肥料ですが、鉢植え・地植えに関わらずまず植え付け時に緩効性化成肥料を土の中に混ぜ込んでおきます。 その後、4月から6月、9月から10月にも緩効性肥料をあたえるよにします。 この時期は成長期ですので、2週間に1回液体肥料を施し、同時に置き肥をしておくとよいでしょう。 株がいっぱいになったものは次第に痩せてくるので、規定量より多めの肥料を施すようにしましょう。

育て方ポイント5.病害虫

紫蘭(シラン)については病気はほとんどありませんが、まれに葉に黒いすす状のものや、色むらなどが出る場合があります。これらはウイルス病の可能性があるので、他株への感染を防ぐために抜いて処分してください。 紫蘭(シラン)につきやすい害虫はナメクジやアブラムシなどがいます。芽や花がナメクジの食害に遭うことがあるので、蕾や花についているのを見かけたら早めに対処しましょう。

育て方ポイント6.苗の植え付けや植え替え

植え替えは3~5年の周期で

シランの苗の植え付けと植え替えについてです。苗の植え付けは基本的に真夏と真冬以外はいつでもおこなうことができますが、春と秋の暖かい日がより適しています。新芽が鉢口から1/3ほどの高さになるよう苗を植え込みます。 苗の植え替えについてですが、地植えは鉢植えよりも長く3年から5年の周期で1回植え替えます。そうすると苗の生育が順調に進んでくれます。時期は4月から6月か9月から10月頃が適しています。苗を植えたあとはたっぷりと水やりをして1週間ほど日陰に置いてから日当たりのよい場所へ移します。 苗を植え替えた後は根の伸びが早く、鉢植え後すぐに鉢の中がいっぱいになり根詰まりしてしまうので、苗の植え替えは少なくとも2年に1回または春か秋に行うようにします。

育て方ポイント7.株分け・増やし方

球根や種からも増やせる植物

時期は4月から6月か9月から10月に行うのが目安です。 紫蘭(シラン)は球根や種から増やすことができる植物です。花が咲いたあと、種が実り、その種が飛ぶと放置しておいても発芽していることがあります。球根からの増やし方ですが、こちらは初心者でも簡単です。 球根での増やし方をご紹介します。こちらは「分球」といって、地下球が毎年分球しながら増やし方です。球根に芽がついていることを確認し、地下球を分けます。芽のない古い地下球でも植えておくとたいていの場合は発芽するので、2年目以降に花をつけます。 種まきはでの増やし方はあまり一般的ではありませんが、このような増やし方もあります。種まきでの増やし方の場合は、晩秋から冬にかけて粉のような種が熟してはじけるので、それを採種して親鉢の根元にまいておくと、夏になり小さな芽が出て約2~3年で開花します。


株分けについて

シランは種まきのほか、株分けという方法もあります。株分けは、10月頃が時期的にベストです。ただし株分けしすぎると次の年に花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。 株分けの方法ですが芽の付いているバルブが、2~3個で1株になるように株分けしていきます。手で割るか、清潔なナイフで切り分けましょう。

育て方ポイント8.交配

交配:交配は、葯柱(やくちゅう)の先端にある花粉塊を外し、その裏側にある柱頭につけるだけで簡単です。花後に結実したら、晩秋から冬に採種して親鉢の根元にまいてみましょう。自分だけのオリジナル花をつくれます。

交配についてですが、「葯柱(やくちゅう)」と呼ばれる先端にある花粉塊を外し、その裏側にある柱頭につけるだけで簡単です。花後に結実したら、晩秋から冬に採種して親鉢の根元にまくと、自分だけのオリジナル花を作ることができます。

育て方ポイント9.シランの花後の手入れ

シランの花後は、大きな葉が残ります。このとき、手入れで注意したいのは、花茎が切っても構いませんが、葉は光合成に必要なため、葉を切るのは止めておきましょう。季節が秋になると葉が枯れ始めるのでそうなった場合は葉を取り除いても構いません。

シランを育ててみよう

丈夫で育てやすいシランですが、近年の開発や乱獲で野生種の数は激減してしまい、準絶滅危惧種に指定されています。栽培に手間がかからず、ガーデニングにはよく用いられていますが自然界で見つけたものは勝手に取って帰ったりせず、そっとそのままにしておきましょう。