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【登山】テント泊をするときに気をつける9つのポイントをご紹介!

テント泊による登山は、日帰りや山小屋泊による登山よりも、自然にどっぷり浸かることができ、登山の楽しみ方の幅を広げてくれます。テント泊登山をするには、どのように始めたらいいか、用意すべき持ち物や装備、テント泊の際に気をつけるポイントを紹介します!
2020年8月27日
anntena
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登山でのテント泊とは?

日帰りだと行けない長距離の登山ルートを歩く場合、どこかで宿泊する必要があります。山での宿泊先は、山小屋かテントのどちらかになります。 山小屋は手軽で安心して泊まれますが、テント泊の場合は、必要な装備や持ち物の用意や手間のかかる準備があって、始めるための敷居が高いでしょう。一方で、山小屋泊では味わえないたくさんの魅力があります。 テント泊登山の魅力や、テント泊をする際に気をつけるポイントを以下に紹介します。

テント泊登山の7つの魅力

テント泊登山には、山小屋泊や一般のオートキャンプでは、味わうことのできない魅力がたくさんあります。一度やってみると、病みつきになり、何度もテント泊登山に行きたくなるでしょう。 では、テント泊登山にはどんな魅力があるのでしょうか?以下に、テント泊登山の魅力を7つにまとめました。

1.自然に溶け込みリフレッシュ!

テント泊は、山を登って標高が上がった場所にある、テント場(山小屋に併設していることが多いです)でキャンプをします。 周囲の人工物といったら山小屋くらいで、あとは山々や木々の自然風景しかありません。時には動物や鳥の鳴き声がある中で寝泊りするわけで、自然に溶け込むことができます。 それは何とも新鮮で気持ちいいもので、日常生活から離れてリフレッシュできる体験となるでしょう。

2.素晴らしい景色のなかでのキャンプ

テント場は、だいたい標高が高くて見晴らしの良い場所にあるため、素晴らしい景色の中でキャンプできます。周囲の美しい山々を眺めながら、のんびりとテントでくつろぎ、贅沢な時間を過ごせるでしょう。

3.山で食べる自炊料理がおいしい

山のテント泊では、自分で調理道具を持っていき、自炊して料理を作ります。 ただ、たくさんの調理道具と食材を持って行けるわけではないので、あまり豪勢な食事にすることはできません。それでも山の空気のおいしさと相まって、自炊した食事は、どんなものでも、格別においしくなります。不思議なことに、たとえレトルト食品であっても、山で食べるとおいしく感じられます。 豪華な食事に様変わりする、テント泊での自炊料理は、テント泊の醍醐味といえます。

4.プライベート感を保てる

山小屋は雑魚寝や相部屋が当たり前で、混雑時には狭く感じたり、隣人のいびきが気になったりします。 テントに一人で泊まる場合は、個室の空間なので、そのような不満点は一気に解消できます。たとえ複数人でテント泊する場合であっても、気心知れた仲間同士であったら、隣で仲間が寝ていてもあまり気にならないでしょう。 このようにテント泊は、プライベート感を保てるのも魅力的です。

5.安い宿泊費

テント泊の最大の魅力ともいえるのが、宿泊費の安さです。山小屋だとだいたい1泊7,000円から10,000円くらいが相場ですが、テント泊はなんと、1泊500円で済みます。 山小屋の場合、毎週泊まりに行くとなると躊躇する価格ですが、テント泊は毎週出掛けても、そんなにお金がかかりません。テント泊の装備をそろえるのに最初お金かかりますが、何度もテント泊登山へ出かけることで、十分もとを取れるでしょう。

6.行動の自由度が高い

テント泊の場合、山小屋で泊まる場合と違い、行動の自由度が高いのも魅力です。 山小屋だと夕食の時間や就寝のための消灯時間も決まっています。それに対して、テント泊の場合だと、自分の好きな時間に食事を作り、好きな時間に、寝始めることができ、行動の自由度が高いといえます。

7.長期の縦走登山ができる

テント泊を取り入れると、長期の縦走で行くロングコースも歩くことができます。 日帰り登山だと、北アルプスや南アルプスのような高い山で縦走コースがある山に登るのは難しいですが、テント泊に慣れると、いくらでも長期の縦走ができるようになります。長期の縦走は一度にたくさんの美しい山々を駆け抜け、心に残る山旅ができるでしょう。 初心者の方にとっては、最初は難しいですが、いずれは長期縦走をすることを目標として、徐々にステップアップいけばよいでしょう。

テント泊と山小屋泊りとの比較

テント泊の魅力を紹介しましたが、山で宿泊する場合に、テントと山小屋でどちらがいいのか比較してみましょう。いくつか比較ポイントを挙げ、どちらがいいか、○、△、×で示します。

■価格 → 山小屋:× テント:○ テント泊の方が、圧倒的に安価で宿泊できます。 ■プライベート感 → 山小屋:× テント:○ テント泊だと個室なので、プライベート感が保てます。 ■自由度 → 山小屋:△ テント:○ テント泊だと時間の縛りが少ないです。 ■荷物の重量 → 山小屋:○ テント:× 山小屋泊の方が荷物が少なく、ザックは容量が小さくて重量も軽くできるため、身軽に登山できます。 ■寝心地(暖かさ) → 山小屋:○ テント:△ 山小屋では、暖かい布団で寝ることができます。 ■食事 → 山小屋:○ テント:△ 山小屋泊でもテント泊でもおいしく食事できますが、テント泊の場合だと、調理する手間がかかってしまいます。

以上のように、テント泊と山小屋泊ではメリットデメリットがあるので、自分や同行する仲間の意向によって、うまく使い分けるとよいでしょう。


登山でのテント泊はどうやるの?

一般のオートキャンプ場では自分のテントを車に積んで持って行き、キャンプ場でテントを張りますが、テント泊登山の場合は、山を歩いて重いテントを持ち運ぶため、とても大変です。 その大変なテント泊登山はどのように始めればよいのでしょうか?テント泊登山の始め方を以下に説明します。

必要な装備や持ち物を揃えよう

テント泊登山をするには、容量が大きなザックと、必要な持ち物や装備を用意します。たくさん購入すべきものがあるので、ある程度まとまったお金が必要になります。

テント泊登山を計画し、パッキングしよう

それから、テント場で宿泊することを想定し、登山ルートを決め、登山計画書を作成しましょう。そして、テントなどの必要な装備や道具をパッキングしましょう。

ザックを背負ってテント場まで登山しよう

そして、重量感のあるザックを背負って山を登り、予定したテント場へ行きます。 多くの場合、テント場には山小屋が併設されており、そこで料金を払い、テントを張ります。トイレや水場は、山小屋の設備を使います。山小屋によっては、水やトイレが有料の場合もあります。 テント場は、よほどのことがない限り満員になることはないため、特に予約の必要はありません。

テント泊登山をするときに気をつける9つのポイント

テント泊登山は、日帰りの登山と違って、気をつけるべきポイントがたくさんあります。快適なテント泊登山をするために是非ともおさえておきたいポイントを9つにまとめました。しっかり準備し、テント泊登山を思う存分楽しみましょう。

1.テント泊登山には容量が大きいザックが必要

テント泊の登山は、日帰りの登山と違って、寝泊りするための道具が必要になります。そのため、たくさんの荷物を運ぶための、容量が大きなザックが装備として必要になります。 登山用ザックには容量がいくつかの種類ありますが、選び方の目安として、以下をおすすめします。 1泊~2泊の場合:容量40~60リットル 3泊以上の長期縦走の場合:容量60リットル以上 あまり容量が大きすぎても、余分なスペースができて、歩行時にバランスが悪くなってしまいます。逆に容量が少ないと、荷物が入りきらなくなってしまいます。 初心者の方は、いずれステップアップして長期縦走にもでかるけることを想定し、少し容量が大きめのザック(容量60リットル程度)を用意することをおすすめします。

2.テント泊登山の持ち物や装備

テント泊で登山する場合、日帰りの登山と比べてたくさんの持ち物や装備を持って行く必要があります。ここでは、ザックに入れて持っていくべきテント泊で使うアイテムを一覧にして紹介します。

シュラフ

寝袋です。初心者の方は、春、夏、秋の3シーズン対応のシュラフを最初に用意することをおすすめします。

エアマット

シュラフの下に敷くマットです。栓を開けると空気が入る、自動膨張タイプだと手軽に扱えるのでおすすめです。

銀マット

テント内に敷くマットです。地面からの冷気を断熱し、地面の小石によるでこぼこを和らげるため、エアマットに加えて必要なマットです。

登山用テント

登山用テントは、持ち運びを容易にするため、1kg程度の軽いものを選びましょう。 テントには収容可能人数の目安があります。使用予定の人数に対して、プラス1名余裕を持ったサイズのテントを選ぶと、快適に過ごせるでしょう。


コッヘル(食器、調理器具)

コッヘルは、野外で炊飯するための食器のことです。軽くて持ち運びに便利だし、火にかけることもできます。複数人で行く場合は、調理用に大きいコッヘルも持って行くとよいでしょう。 また、飲み物を飲むためのカップも必要となるので、併せて用意しましょう。

バーナー、ガス缶

ガス缶にバーナーを取付けると火をおこせます。このうえにコッヘルを載せて調理します。

食材

初心者の方のテント泊の食事は、レトルト食品や麺類など、簡単に調理できるものがおすすめです。食材は、もしもの時のために、多めに持っていくようにしましょう。

サンダル

テントからトイレなどでちょっと外へ出るときに、登山靴へいちいち履き替えるのは結構面倒です。そんなとき、サンダルがあるととても便利です。ただし、ザックの容量をかなりとってしまうので、かさばらないサンダルを持っていくようにしましょう。

ゴミ袋

調理や飲食したときのゴミを入れるのに必要です。テント場でのごみは持ち帰りなので、できるだけ分厚くて丈夫なゴミ袋を持っていくことをおすすめします。

防寒具

山の夜は、夏でもかなり冷え込みます。テントで寒い思いをしないよう、フリースやダウンジャケットなどの防寒具を持って行きましょう。

その他必要な持ち物や装備

以下は、日帰り登山でも持って行くものですが、テント泊登山でも必要な持ち物や装備です。ザックに入れて持って行きましょう。 ・ヘッドランプ ・水と容器 ・雨具 ・地図/コンパス ・高度計付き時計 ・笛/三角巾(緊急時用)

以上のように、テント泊登山には、たくさんの装備や持ち物が必要になります。これだけたくさんの持ち物を入れるために、ザックは容量が大きいものである必要があります。 また、重量もかなり重くなるので、背負って歩けるよう、日ごろからトレーニングしておくことをおすすめします。

3.テント泊登山のパッキング

ザックの中の持ち物は、歩行時のバランスと、取り出す頻度の高いアイテムを考慮し、以下のように意識してパッキングするとよいでしょう。 ・ザックの背中側に重量が大きいもの、背中から離れた外側には重量が軽いもの入れます。こうすることで、歩行時のバランスを取りやすくなります。 ・ザックの下側にはテント泊で使うシュラフ、マット、テントなどを入れ、上側には休憩時に取り出すアイテム(水、行動食、防寒具など)を入れます。 初心者の方は、パッキングに慣れていないため、余分な隙間ができたり、バランスが悪くなってしまいがちです。テント泊登山へ行く前は、いろいろ試行錯誤して、持ち物や装備のパッキングに慣れておきましょう。

4.初心者の方はテントを張る練習をしておきましょう

テント泊初心者の方は、登山出発前に自宅の庭や公園でテントを張る練習をしておくことをおすすめします。 練習しておかないと、いざ現地に到着して張り方が分からず困ってしまいます。また、テントに同梱されているそれぞれの部品が何に使うか分からず、困ってしまうでしょう。 特に、ペグ(テントを固定する棒)の使い方を練習しておかないと、風で飛ばされたりする心配がでてきます。

5.テント泊登山の食事や飲み物

テント泊での食事は、ガス缶、バーナーおよびコッヘルを使って調理します。テント場にある山小屋で食事をとることもできますが、せっかくなので、テント場で自分で調理して料理を作ることをおすすめします。 山での食事は、食器や食材が限られるので、そんなに手の込んだ調理はできません。レトルト食品、パスタ、ラーメン、アルファ米(水を入れて加熱するとふっくらご飯になります)などだと、腹持ちも良く、手軽に調理できるので、初心者の方におすすめな食事です。 また、飲み物として、インスタントコーヒーや紅茶のティーバッグなどを持っていくことをおすすめします。お湯は、コッヘルに水を入れてバーナーで沸かします。テントを張って一息つくときや、食後の一服などのコーヒーや紅茶は、山のおいしい空気と相まって、最高においしいです。

6.テント場で気をつけること


テント場では、暗黙の了解のマナーやルールがあります。事前に認識しておき、周囲の方に迷惑をかけず、テント泊を楽しみましょう。

明るいうちに到着しよう

暗くなるとテントを張るのが大変になるし、張る場所も限られてくるので、テント場には明るいうち(16時くらい)に到着するようにしましょう。

ゴミは持ち帰ろう

テント場にはゴミ捨て場はありません。山小屋でも引き取ってはくれません。そのため、調理や飲食で出たゴミは必ず持ち帰る必要があります。ザックに入れて持ち帰ることになるので、ゴミ袋を持ち物として持っていきましょう。

夜は早寝、朝は早起き

テント場では、夜は早寝、朝は早起きです。多くの登山者は、夜はだいたい21時くらいには寝始め、朝は5時くらいに起き始めるでしょう。朝早い人だと、3時とか4時から起きて出発の準備を始める方もいます。 周囲の方に迷惑がかからないよう、夜20時くらいからは静かにするようにしましょう。

7.テント場指定地以外でテント泊してもよいか?

国立公園内では、指定されたテント場(キャンプ指定地)以外でテントを張ることは、自然公園法という法律によって禁止されているため、注意が必要です。 国立公園というのは、全国に点在しており、代表的なものとして、中部山岳国立公園(北アルプス)や南アルプス国立公園(南アルプス)などがあります。そのようなエリアでテント泊登山する場合は、指定エリアでテントを張りましょう。 ただし例外として、緊急時のビバークとして、指定地以外でテントを張ることは認められています。

8.テント泊登山は体力が必要

テント泊登山では、日帰り登山よりもかなりたくさんの道具や装備を背負って歩くため、ザックの重量がかなり重くなります。荷物が多いときには、重量が20kgを超えることもあります。そうすると、歩行時に体への負担が大きくなります。 そのため、日ごろから、ランニングや重量物(例えば、水、石など)を背負って歩くなどのトレーニングで、体を鍛えておくことをおすすめします。トレーニングをしておくと、重量のあるザックを背負ってもより快適に歩けるし、疲れもそれほど残りません。

9.初心者のテント泊登山ルートの選び方

テント泊登山の初心者の方は、できるだけコースタイムが短いルートを選びましょう。日帰り登山よりもかなり重量のある荷物を持って歩くので、普段より歩くのに時間がかかってしまう可能性があるからです。 テント場があるルートは、登山地図から探します。2,000m以上の高い山が連なるエリアには、だいたい山小屋やテント場があるので、そのエリアの登山地図を買って探してみましょう。

テント場をベースキャンプとした、登山スタイルがおすすめ

また、テント場をベースキャンプにとし、使わない持ち物や装備を置いてザックの重量を軽くし、山頂を目指すというスタイルのテント泊登山とすれば、負担が少なく、初心者の方にもおすすめです。 ベースキャンプとしておすすめなテント場は、例えば、北アルプスだと涸沢、南アルプスだと北沢峠です。他にもたくさんありますが、それぞれ行きたい山域の登山地図を確認し、ベースキャンプとなるテント場を探してみましょう。

まとめ

テント泊登山の魅力や始め方、必要な装備や持ち物、気をつけるポイントを紹介しました。 テント泊初心者の方にとっては、テント泊登山を始めるには、たくさんのアイテムをそろえる必要があって、なかなか敷居が高いと感じるでしょう。しかし、一度揃えてしまうと、新たな登山スタイルを発見し、その魅力にはまって、のめり込むことでしょう。 山のおいしい空気のもとで、テントでシュラフにくるまり、より自然を身近に感じるテント泊登山、是非始めてみてはいかがでしょうか?