月桂樹(ローリエ) とは?
月桂樹は、英語ではローレル、フランス語ではローリエ、日本では月桂樹と言われています。1905年にフランスから持ち込まれ、カレーやシチューなどの香りづけや、肉や魚の臭みとりに使われています。中国では漢方薬としてリウマチや関節炎などにも使われていたりします
日本では同じ分類にされてしまっていますが、月桂樹とベイリーフは別の種類になり香りも違います。ベイリーフは英語ですが葉脈が縦になります。インドでは欠かせないスパイスの1つです。月桂樹は葉脈は横になっています。 ※ 味が違うのでベイリーフはローレルの変わりにはなりますが、ローレルはベイリーフの変わりは出来ません。
月桂樹の名前の由来
日本では月の中にウサギの餅つきしているように見えますが、中国では桂(木犀)を切る男に見えると言われているそうです。その事と日本の桂という木に似ているという事から月桂樹と名づけられました。
月桂樹の花言葉の由来
ゼウスの息子アポロンが、愛のキューピットのエロースの持っている矢を馬鹿にしました。怒ったエロースは愛が芽生える金の矢をアポロンに、愛を拒絶する鉛の矢をダフネに射貫きました。 アポロンは追いかけ、ダフネは逃げまくりました。ダフネは河の神である父に自分の姿を変えてくれるよう、助けを求めます。父はその願いを聞き入れてダフネを月桂樹へと変えました。 ショックを受け三日三晩泣き続けたアポロンはせめて自分の聖樹となるようにお願いし、それをダフネも受け入れました。それからアポロンは生涯頭に月桂樹の冠をかぶり続けました。それから勝利や英雄に月桂樹の冠をかぶせる風習が出来上がったそうです。
花言葉
葉の部分= 《栄光》《私は死ぬまで変わりません》 《勝利》《栄誉》 花の部分= 《裏切り》
<学名> Laurus nobilis <科名> クスノキ科 <属名> ゲッケイジュ属 <別名> ローレル、ローリエ <原産地> 南部ヨーロッパ
月桂樹(ローリエ) の育て方 Lesson1/鉢植えの仕方
良い苗の選び方
月桂樹の苗が花屋さんなどで売り始めたら、5つのポイントをチェックしながら、良い苗を選ぶようにしましょう。 ポイント① 葉の色が黄ばんでない苗、 ポイント② 間延びしていない苗 ポイント③ 葉が枯れてない苗 ポイント④ 根が根詰まりしていない苗 ポイント⑤ 根が白く茶色くなっていない苗
苗の出回る時期
◇ 3月~5月 ◇ 10月~12月
月桂樹(ローリエ)に向いている土は?
月桂樹に向いている土は、水はけが良い土で、根腐れしにくくなるので元気よく成長します。また特に肥料をあげなくても元気に成長しやすいです。もし元気がなくなってきた時には有機物の多い腐葉土や堆肥などを1割程混ぜて使ってみてください。
水やりのコツは?
月桂樹の鉢植えの水やりは、水切れに弱いので土の表面が乾いたら、鉢穴から水が出てくるまでたっぷりと水をあげます。だからと言って表面の土が乾く前に水やりを沢山してしまうと、根腐れをしてしまいやすいので注意をしてください。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Lesson2/置き場所はどこ?
<寒い時期> 耐寒性は普通ですが、温かい地域が原産の植物なので-5度くらいの寒さになってしまう場所は避けた方がいいです。 <温かい時期> 耐暑性は強いので、日当りの良い場所~半日蔭の所で育てると元気です。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Lesson3/肥料は?
肥料を与える時期は?
月桂樹は肥料がなくても元気に育ちやすい植物です。もし肥料をあげて元気にしたい場合は、地植えならば2月頃、鉢植えならば3月頃に株元に肥料をあげます。 ※植物への肥料のあげすぎは、逆に根を傷めやすいので気を付けてください。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Lesson4/病気になるの?
月桂樹(ローリエ) につく虫
カイガラ虫、テッポウ虫、ハマキ虫がつきます。特にカイガラ虫はつきやすいです。虫達を見つけたら、すぐさま落ちている枝などでこすり落とすか、歯ブラシなどでこすり落としてください。 カイガラ虫がいる所には、蟻が列をなしているので意外に気が付きます。蟻が列をなしていたら注意深くみてみましょう。白いぽつっとした2,3mmくらいのから、放置しすぎると1cmくらいのカイガラ虫が見つかります。
月桂樹(ローリエ) の病気
カイガラ虫は甘い排泄物を枝や葉につけ、様々な菌を引き寄せます。その排泄物が堆積されると黒いすす状のカビが発生し、すす病となります。また枝から樹液を吸うので、枝がエキスを吸われたかのようにしぼんできて、成長が止まってしまいます。 時期的には5月~7月に発生する事が多いですが、他の時期につかないというわけではないのでこまめに観察する事が必要です。
虫と病気の対策
カイガラ虫の除去には専用の農薬が売っていますが、もし食用に使う予定がある場合には月桂樹は煮込み料理に使うのがメインになるので、なるべく農薬は使わないようにしましょう。 食用にしない場合はカイガラ虫用の農薬を使いましょう。食用にする場合は歯ブラシ等でこまめにとりましょう。一番良いのはカイガラ虫の天敵であるテントウ虫がやってきてくれるとカイガラ虫除去対策になります。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Step1/植え替えしてみよう!
植え替えの時期は?
植え替え時期の適期は「4月」と「9月」です。 ※月桂樹は移植を嫌うので、地植えでも鉢植えでも大株の植え替えの時には根を傷つけないように注意してください。
植え替えに適した土は?
① 鉢底に鉢底網をしき、有機質肥料を入れます ② 硬質赤玉7、腐葉土3を混ぜたものを植え替え用の用土として使います。 ※ 硬質赤玉は崩れにくいので、生育力が強い月桂樹に使うと根詰まりがしずらくなります。但し保肥力が減ってしまうので、肥料をあまり必要としない月桂樹などの植物に使います。
植え替えに適した鉢植えは?
植え替えに適した鉢植えは、1号上のサイズになります。同じ大きさの鉢植えにしてしまうとせっかく植え替えをしたのに同じ状態になってしまい意味がなくなってしまうので注意してください。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Step2/剪定してみよう!
剪定時期は?
《1年に一度の剪定時期》 4月~5月頃に花が開花し、若葉が芽吹き始めます。その若葉が成長しきった時期の6月頃がもっとも月桂樹の剪定に適しています。もしくは花が咲く前の3月~4月初旬も剪定が可能です。 《秋頃の剪定時期》 秋頃に月桂樹が成長しすぎてモサモサとなってしまった場合には、9月に剪定すると春頃まで良い形を保ってくれます。 注意:暑さが強い時期と、寒さが強い時期の大幅な剪定は枯らしてしまう事があるので避けてください
剪定方法は?
《新芽の時期の剪定方法》 新芽の時期には新芽を摘み取ると、横へと枝が広がり、上へと成長するのを抑えてくれます。新芽を摘み取る事で枝が増え、花が咲きやすくなります。 《1年に一度の剪定方法》 風通し良くする必要があります。細かく分岐した枝を間引きます。重なっている枝、上に向いている枝、下に向いている枝等を剪定し樹形を整えます。
月桂樹(ローリエ) の育て方 Step3/挿し木してみよう!
雌雄異株の常緑低木ですが、大きくなると高さが10m以上にまで成長します。小さく育てたい場合は剪定によって大きさを小さく保つ事が出来ます。雌株は少なく、市場に出回っている月桂樹の苗の殆どは雄株になり、挿し木から成長させているものになります。
挿し木は可能なの?
挿し木は可能です。しかし発根率は2,3割と低いので5本に1本成功すると考えておくと良いでしょう。そうは言っても植物は生き物なので、悪い環境下でも5本とも成功する場合もあれば、1本しか成功しない場合もあります。そこが面白い所です。のんびり発根するのを期待して待ってみましょう。
挿し木をする時期は?
6月~8月
挿し木をする為の5つの作業
① 挿し木には剪定する年に伸びた元気な枝を選びます。良く切れるハサミや顔そりで先端から10cm~15cmくらいの所を斜めに枝をつぶさないようにカットします。 ② 斜めに切った所から上5cmくらいの所の葉を手で取り除いておきます。葉は2,3枚くらいにし、ハサミで半分に切っておきます。こうする事で余計な水分が蒸散するのを防ぐ事が出来ます。 ③ 水に1時間程水につけて水揚げします。 ④ 容器に小粒の赤玉を入れて湿らせます。挿し木の切り口が傷まないように箸などで穴をあけ、そこに斜めに挿します。まっすぐに挿しても大丈夫ですが、斜めに挿すと挿し木が動きにくくなるので発根率が上がるのでおすすめです。 ⑤ 発根するまでには2週間~1ヶ月程かかります。それまでは半日蔭に置き、土が乾いたらすぐに水をあげるようにしましょう。時々葉に水をかける葉水をしてあげてください。 ※傷んでいたり、虫食いの枝は避けましょう。
発根後はどうすれば良いの?
発根後は苗と同様に植え替えをしましょう。植え替え後はたっぷりの水も忘れずに。
挿し木以外の簡単な増やし方は?
樹木の切株や根元から出る若芽を「ひこばえ」と言います。このひこばえは、物凄い生育力を持っています。なのでこのひこばえを挿し木に使うと発根率はぐんと上がります。 挿し木以外のもっと簡単な方法は、このひこばえを切らずに根を付けた状態で株分けする方法です。シャベルなどを駆使して根が少しでもいいのでついている状態で掘り起こします。それを直接土に植えてあげ、水をたっぷりあげるだけです。
月桂樹(ローリエ) の育て方 最終 /収穫してみよう!
収穫時期
月桂樹の収穫時期は剪定と兼ねて収穫します。それ以外でも伸びすぎた所を料理するたびにカットして収穫する事も可能です。出来れば若い若葉よりも緑色が濃い1年前のしっかりした葉を収穫した方が風味や香りがかなり良くなります。
Let’s try!作ってみよう/ドライ月桂樹
作り方
① 若芽ではなく、1年前の葉を摘みます。若芽でなければ2,3年前のでも大丈夫です。 ② 大量の水でジャブジャブと良く洗います。蜘蛛の巣がついていたりもするのでチェックしてください。 ③ 湯を沸かし月桂樹の葉をさっといれて湯通しします。 ④1枚1枚丁寧に水気を拭いたら、網などに入れて風通しの良い日陰に吊るし干します。美味しい目安が2週間までなので、それ以上は干さないように注意します。
効能
消化促進作用で弱った胃を助けてくれるだけではなく、肝臓や腎臓も活発にしてくれやすい成分が入っています。その他、煎じてリウマチや生理痛など痛みの緩和などに用いられたりします。
Let’s try!使ってみよう/ドライ月桂樹
ただ入れるだけ
香り成分に「シネオール」が含まれているので、月桂樹には防虫効果があります。ドライ月桂樹を2,3枚米びつに入れておくと虫がつきづらいのでおすすめです。
煮込み料理に必需品
スープやカレー、シチュウなどに1,2枚入れて煮るだけで香りと風味が増します。ドライ月桂樹は香りがあまり飛んでない葉を使いましょう。
まとめ
月桂樹は生育力が強いので、そこまで神経質に育てる必要はありません。木も苗から育てれば、丸くトピアリーにしてみたり、枝をねじって育ててみたり自分の好きな形へと育てる事も出来きます。 使い道もいろいろあるのでぜひメインツリーとして苗から育ててみませんか?