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野菜の生育を助けるコンパニオンプランツとは?相性の良い組み合わせ&効果を解説!

コンパニオンプランツという言葉を聞いたことがありますか?一緒に植えると害虫を寄せつけにくくなったり、生育に良い影響を及ぼす植物同士のことです。色々な種類のコンパニオンプランツの組み合わせを利用して、なるべく手をかけずにガーデニングを楽しむ方法を探ってみましょう!
更新: 2021年3月9日
atsugon
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コンパニオンプランツの効果と植え方のポイントを知ろう!

家庭菜園をやっている人なら一度は耳にしたことがある「コンパニオンプランツ」という言葉。 一緒に植えるとお互いに良い効果をもたらす、相性の良い花や野菜のことです。 でも、コンパニオンプランツにも色々な種類があるし、植え付けの時期が合う組み合わせを探すのも面倒ですよね。 そんなあなたのために、週末ガーデナーでも比較的手軽に作業ができるコンパニオンプランツを季節ごとに一覧にしてみました。 今後の野菜選びの参考にしてみて下さいね。

そもそもコンパニオンプランツってどんな効果があるの?

コンパニオンプランツには、野菜と花の組み合わせ、野菜とハーブの組み合わせがよく見られ、一覧表などで見ることができます。 すべてが科学的に解明されているわけではありませんが、農業・園芸分野の生産者や研究者の経験則により、相性の良い植物同士には次のような効果が期待できることが分かっています。 1)害虫の発生を抑制する。 2)病気の発生が少なくなる。 3)生育が促進され、収穫量が増える。 4)味や香りが良くなる。

気象条件や土壌環境によっては、必ずしも効果が出るとは限りませんが、ただ近くに植えるだけでいいなら、試してみる価値は大いにありますね。

コンパニオンプランツの植え方のポイントは?

植え方のポイントとしては、 ●一列ごとに違う種類の植物を植える「間作」 ●一つの畝の中で、交互に違う種類の苗を植える「混植」 ●一つの植物の生育期間が終わった後、別の種類の植物を植える「輪作」 があります。

コンパ二オンプランツの代表的な組み合わせを紹介!

それでは、具体的なコンパニオンプランツの組み合わせと植え方について、一覧表から抜粋した代表的な例を季節ごとに紹介していきます。 ※以下に分類した季節は、開花や収穫の時期を指すので、種まきや植え付けなどの作業の時期とは異なる場合があります。

春のコンパニオンプランツ…①カモミール×タマネギ・キャベツ

安眠を促す効果のあるハーブティーでおなじみのカモミール。 一年草のジャーマンカモミールは、年に2回種まきが可能で、3~5月にリンゴのような香りの小さな花を沢山咲かせます。

コンパニオンプランツとしてのカモミールのはたらきは?

カモミールは、アブラムシの被害を受けやすいタマネギやキャベツのそばに植えると、アブラムシを誘因してくれるはたらきがあります。 また、タマネギやキャベツの味を甘くしてくれる効果も期待できます。

タマネギやキャベツは、秋に種まきや植え付けを行うので、カモミールも秋にポットに種を撒いておき、のちに野菜のそばに植え替えるという方法が手軽でおすすめです。 カモミールは、ハクサイやブロッコリーなど、ほかのアブラナ科の野菜とも相性が良いので、これらの野菜との混植も試してみて下さいね。

春のコンパニオンプランツ…②イチゴ×ニンニク

イチゴとニンニクは、秋に苗を植え付けて春~初夏に収穫するので、作業の時期はピッタリ! また、プランターでも栽培できるので、マンションのバルコニーなど限られたスペースでも気軽に挑戦できます。

おすすめの植え方としては、細長いプランターに、一株ごとにイチゴとニンニクを交互に植える方法。 ニンニクの臭いが、アブラムシなどの害虫を遠ざけ、イチゴの生育を助けます。 また、ニンニクの根元に生息する微生物が、イチゴの病気の元になる病原菌を減らすはたらきもあります。

ニンニクの芽はいろいろな料理に使えます


ニンニクの葉や茎は細いので、イチゴの日陰になることもありません。 ただし、ニンニクは春を過ぎるとトウ立ちして花芽が伸びてきます。 そのままにしておくと球根が大きなニンニクにならないので、花芽は早めに摘み取りましょう。 採った花芽は「ニンニクの芽」として料理に使うことができます。 イチゴの収穫が終わり、梅雨に入る前がニンニクの最適な収穫時期です。

夏のコンパニオンプランツ…①マリーゴールド×トマト・ナス

夏野菜の定番であるトマトやナス。 5月頃に出回る苗を植えれば、プランターでも手軽に作ることができるので、初心者向きの野菜として親しまれています。 トマトとナスはどちらもナス科に属し、病気や害虫も共通することが多いので、この2つは近くに植えない方がよいのですが、ナス科とマリーゴールドとの相性は抜群です。

コンパニオンプランツとしてのマリーゴールドのはたらきは?

マリーゴールドの花や根から出る特有の臭いは、土中のセンチュウを減らし、連作障害を防いでくれます。 マリーゴールドには、花が大きなアフリカン種と小さなフレンチ種という代表的な2種類がありますが、フレンチ種には臭いがなく、センチュウの防除効果がないので注意が必要です。

アフリカンマリーゴールド

フレンチマリーゴールド

センチュウの防除効果は、マリーゴールドの根が張っている土の周辺に限られるので、スペースがあるなら野菜の株間にマリーゴールドを植える混植がおすすめ。 マリーゴールドを一面に植えて枯らした後、土壌改良された土を利用して別の植物を栽培する輪作にも適しています。

トマトとマリーゴールドの混植

ナスとマリーゴールドの混植

マリーゴールドは、ウリ科やアブラナ科などの野菜とも相性が良く、コンパニオンプランツの一覧表では必ず上位に登場する花です。

夏のコンパニオンプランツ…②トウモロコシ×エダマメ

成長すると草丈が高くなり、日光や栄養分を沢山必要とするトウモロコシ。 一緒に植えるとほかの植物の生育を阻害してしまうことも多いのですが、マメ科との相性は良好です。 エダマメは、トウモロコシの天敵であるアワノメイガやフキノメイガを寄せつけにくく、トウモロコシはエダマメの天敵であるカメムシを抑える効果があります。

トウモロコシを食い荒らすアワノメイガの幼虫

エダマメの天敵・カメムシ


また、マメ科植物と共生している根粒細菌のはたらきで、土がやわらかくなり、トウモロコシの粒が甘くなるという効果もあります。 さらに、マメ科には雑草の生育を抑えるはたらきがありますが、トウモロコシの生育は妨げません。

トウモロコシとエダマメの混植

エダマメは、日陰でも比較的よく育つ野菜なので、トウモロコシの株間に植えても生育が悪くなることはありません。 むしろ、トウモロコシの茎や葉がエダマメの風よけになって倒伏を防いでくれます。 いいことづくめのこの2つの野菜。是非チャレンジしてみたい組み合わせです。

秋のコンパニオンプランツ…①ラッカセイ×サツマイモ

ラッカセイなどのマメ科植物を掘ってみると、根にこぶのような小さな塊が沢山ついています。 この塊の中には根粒菌という細菌がすみついており、マメ科植物とは共生関係にあります。 根粒菌は、マメ科植物から栄養分を吸収する代わりに、空気中の窒素を取り込んで植物が吸収しやすい物質にして提供します。

窒素は、リンやカリウムとともに肥料の3大栄養素といわれ、不足すると葉が黄変したり、成長が鈍ったりします。 しかし、マメ科植物には根粒菌からの窒素分があるので、窒素肥料が不足することはまずありません。 ラッカセイと相性の良いサツマイモを近くに植えると、この効果を分け合うことができ、お互いの生育が促進されるのです。

また、サツマイモには、サツマイモネコブセンチュウという害虫が寄生して生育を阻害しますが、この害虫はラッカセイには寄生できません。 そのため、サツマイモの近くにラッカセイを植えると、サツマイモネコブセンチュウの減少効果があるといわれています。 混植、間作ができますが、近くに植えすぎるとサツマイモのつるや根が伸びすぎてラッカセイの成長を妨げるので、適度な間隔をとって植えましょう。

秋のコンパニオンプランツ…②ショウガ×サトイモ

ショウガとサトイモは、どちらも高温多湿を好みます。 そのため、この2つは、昔から田んぼの畦などで混植されてきました。 庭の隅など、ほかの野菜の生育には適さない場所でも栽培することができるので、スペースの有効活用にもおすすめです。

ショウガは、比較的気温が高い日陰が大好き。 なかなか難しい条件ですが、サトイモの根元に植えると大きな葉が日よけになり、直射日光や乾燥を抑えてくれます。 このような条件下で育てたショウガは、香りが高くなり、大きく収穫できます。 また、害虫のつきにくいショウガは、サトイモを病気や害虫から守ってくれます。

サトイモもショウガも寒さが苦手なので、気温が20℃以上になってから植え付けましょう。 どちらも「芽出し」をしてから植えつけると、その後の生育が良くなります。 サトイモは、乾燥しないように水をたっぷりと与え、定期的に土寄せしておけば、あとは放置していても比較的簡単に育ちます。 ショウガは、夏には葉ショウガが楽しめ、秋以降は根ショウガが収穫できます。 この組み合わせは連作を嫌うので、翌年は同じ場所に植えないようにしましょう。

冬のコンパニオンプランツ…①ホウレンソウ×葉ネギ

冬野菜の代表ともいえるホウレンソウ。 10月頃に種をまくと1~2ヵ月で収穫でき、食卓の彩りにも一役買ってくれます。 ホウレンソウは、春植えと秋植えがありますが、気温が高いと失敗しやすいので、初心者は秋植えからチャレンジしてみましょう。 プランター、地植え、どちらの植え方もできますが、種をまいたら葉がある程度育つまでは害虫や強い雨に注意して育てます。 余分な葉を間引いて、育てる株を決めたら、株間や条間に葉ネギを植えてみましょう。

葉ネギは、わざわざ買ってこなくても、料理に使った残りで十分。 根元を残してコップの水に付けておき、2~3本まとめてホウレンソウのそばに植えます。 ホウレンソウの害虫は葉ネギが、葉ネギの害虫はホウレンソウが苦手なので、お互いの害虫が少なくなります。 また、葉ネギは根を浅く張り、ホウレンソウは深く張るので、それぞれの生育環境を妨げることもあまりありません。 さらに、葉ネギとの混植がホウレンソウの病気を防いだり、硝酸濃度を下げ、アクを少なくするという効果もあります。 これはもう、一緒に植えるしかないベストな組み合わせですね!

冬のコンパニオンプランツ…②ダイコン・カブ×ニンジン


モンシロチョウは、アブラナ科のダイコンやカブの葉を食草とし、卵を産みます。一方、キアゲハは、セリ科のニンジンなどの葉を好みます。 そのため、アブラナ科だけ、セリ科だけの野菜を1ヶ所にまとめて栽培すると、それぞれの葉を食草とするチョウが集まり、大量に卵を産みつけられてしまいます。

アブラナ科を食草とするモンシロチョウの幼虫と成虫

セリ科を食草とするキアゲハの幼虫と成虫

しかし、アブラナ科の野菜とセリ科の野菜を交互に植えると、キアゲハはアブラナ科を、モンシロチョウはセリ科を「食草ではない」と認識し、避けて飛びます。 その結果、それぞれのチョウの飛来が少なくなり、幼虫による食害の減少が期待できるのです。 チョウによる被害を防ぐには、一列ごとに植える「間作」がおすすめです。 また、シュンギクなどのキク科の植物は、臭いが強いため、アブラナ科の葉が好きなモンシロチョウは敬遠します。 そのため、キク科の植物も、ダイコンやカブのコンパニオンプランツとして利用できます。

コンパニオンプランツとは逆の、一緒に植えない方がいい植物の組み合わせは?

コンパニオンプランツとは逆に、一緒に植えない方がいい、相性の悪い植物の組み合わせもあります。 近くに植えると、栄養分をどちらかが偏って吸収してしまい、もう片方の生育を阻害したり、害虫を増やしたり、病気を広げてしまうような組み合わせです。 一般的に、同じ科同士の野菜の組み合わせは、病気や害虫が重なることが多いのでNGです。 例えば、トマト、ナス、ジャガイモなどはすべてナス科なので、近くに植えないようにしましょう。 ナスが終わった後に、別のナス科の野菜を植えるのも、病気が出やすいので避けた方がよいです。 ほかには、同じウリ科であるカボチャ・スイカ・メロンの混植や、マメ科のエダマメやインゲンとネギの混植も避けた方が良い組み合わせです。 相性の悪い組み合わせは、ホームセンターの園芸コーナーなどに一覧表が張ってあることもあるので、植え付け前に確認しておきましょう。

コンパニオンプランツと似ているけど違う、バンカープランツとは?

コンパニオンプランツと似ているけど少し違うものに、バンカープランツがあります。 ある特定の害虫を予防するために、その害虫の天敵になる昆虫を増やす植物=バンカープランツを植えることで、近くにある農作物を守るはたらきをします。 そのため、「おとり植物」とも呼ばれます。

ヨモギやシロツメクサがバンカープランツになることも

コンパニオンプランツが、生育促進や収量の増加、食味の向上などさまざまな目的をもっているのに対して、バンカープランツは、害虫防除に特化した植物です。 また、基本的にバンカープランツの収穫は期待されません。 バンカープランツの種類や組み合わせ、植え方のコツなどは、一覧表で見ることもできるので、興味のある方は調べてみて下さい。

まとめ

調べれば調べるほど奥が深い、コンパニオンプランツ。 それぞれのメリットにも様々な違いがあり、コンパニオンプランツについて知ることで、色々な種類の植物の育て方にも詳しくなりそうですね。 ただし、コンパニオンプランツは、あくまでも「傾向」であったり、「効果が期待できる」ということなので、過剰な盲信は禁物です。 上に挙げた以外にも、コンパニオンプランツの種類や組み合わせについては、本やサイトで一覧表が公開されているので、自分が栽培してみたい植物が一覧表にあるか、チェックしてみましょう。